防衛機制のひとつで、対象関係の発達において重要な働きをしており、自我同一性の形成に関わりが深い。対象の考え・感情・行動などを無意識的に取り入れ、その対象と同じような傾向を示すようになる心的過程のこと。自分の中にある傾向が性質を他人になすりつける場合は投影と呼ばれるが、これも主観的に自他を混同する同一視の一種と考えられる。フロイト,S.は、男児の超自我の形成において、父親との同一視を取り上げている。このような同一視を通じて、道徳性・性役割などを含んだ人格が形成されていく。