漢方方剤

蟾酥丸

よみかた せんそがん
方剤種別 癰瘍剤 > 外癰剤
典拠出典 外科正宗

処方構成
この方剤を構成する生薬の組み合わせ

生薬名 原材料と加工法
蟾酥ヒキガエル科ヒキガエル属のアジアヒキガエルあるいはヘリグロヒキガエルなどの乾燥させた耳腺および皮膚腺からの分泌物
軽粉塩化第一水銀
枯礬強火で焼いた硫酸カリウムアルミニウム
寒水石方解石
銅緑塩基性炭酸銅
乳香カンラン科ボスウェリア属のカルテリイおよび同属植物の樹木から滲出した膠状樹脂
没薬カンラン科ミルラノキ属ミルラノキなどの樹木から滲出した膠状樹脂
胆礬硫酸銅(Ⅱ)五水和物
麝香ジャコウジカ科ジャコウジカ属のシベリアジャコウジカ・コビトジャコウジカ・ヤマジャコウジカの雄が持つ香嚢からの分泌物
雄黄硫化砒素
蝸牛オナジマイマイ科オナジマイマイ属オナジマイマイおよびその近縁種
朱砂辰砂鉱石
イネ科のオオムギ属オオムギ、イネ属イネ、キビ属キビなどの種子を原材料とする醸造酒および蒸留酒

適応疾患 および 対象症状

化膿性骨髄炎、急性乳腺炎、蜂窩織炎、皮膚の熱感、皮膚の腫れ、皮膚の発赤、皮膚の痛み、皮膚のかゆみ、皮膚化膿症、癰、疔 など

薬理作用

消炎作用、消腫作用、鎮痛作用、熱感改善、創傷回復、解毒作用、解熱作用、止痒作用、皮膚再生 など

東洋医学的弁証
東洋医学の診断に基づく対象疾患・症状

癰疽疔瘡、癰疽発背、附骨疽症、乳癰腫痛、腫脹疼痛、大腿癰症、熱毒内蘊

治法・治療原則
東洋医学的治療法と治療原則

清熱解毒、消腫定痛、活血散結、辟穢療瘡
  • 『方剤種別』については、複数の漢方方剤種別に属する方剤もあるが、当該方剤の薬理作用が最も顕著にあらわれる漢方方剤種別に基づき、単一の方剤種別に属させている。
  • 『東洋医学的弁証』および『治法・治療原則』については、中医用語に精通していない一般の方を考慮し、あえて重複表現を一部用いている。
  • 『適用疾患および対象症状』については、当該方剤が直接的に効力を示す疾患・症状に加え、間接的に効力を示す疾患・症状についても併記している。
  • 『この方剤の持つ「薬理作用」』については、当該方剤の直接的な薬理作用に加え、間接的な薬理作用についても併記している。