処方構成
この方剤を構成する生薬の組み合わせ
生薬名 |
原材料と加工法 |
炒白朮 | 麸(ふすま)とともに炒ったキク科オケバ族のオオバナオケラおよびオケラの根茎 |
生黄耆 | マメ科ゲンゲ属のキバナオウギおよびナイモウオウギなどの根 |
煅竜骨 | 強火で焼いた現代のゾウ類・サイ類・ウシ類・ウマ類などに相当する新生代の有蹄類の骨の化石 |
煅牡蛎 | 強火で焼いたイタボガキ科のイタボガキ属イタボガキおよびマガキ属マガキなどの左側の貝殻 |
山萸肉 | 成熟したミズキ科ミズキ属サンシュユの果肉 |
生杭芍 | コルク層を除いたボタン科ボタン属シャクヤクの根 |
海螵蛸 | コウイカ科のコウイカ属コウイカおよびシリヤケイカ属シリヤケイカなどの甲骨 |
茜草 | アカネ科アカネ属アカネの根および根茎 |
棕櫚炭 | 外面を黒く焦がしたヤシ科シュロ属のトウジュロおよびワジュロの葉鞘の繊維 |
五倍子 | アブラムシ科ゴバイシアブラ属ヌルデシロアブラムシなどがウルシ科ヌルデ属ヌルデなどの葉に寄生することにより形成された虫癭 |
適応疾患 および 対象症状
不正性器出血、月経過多、子宮出血、産後出血、動悸、息切れ、舌の色が薄い、脈が弱い など
薬理作用
止血作用、月経改善、動悸改善、呼吸改善、強精強壮、止帯作用、帯下改善、舌色改善、整脈作用 など
東洋医学的弁証
東洋医学の診断に基づく対象疾患・症状
衝任虚損(衝脈と任脈が虚弱で月経不順が生じる)、月経過多(月経の出血量が異常に多い)、崩漏帯下(不正出血とおりものの異常)、脾腎虧虚(脾と腎の虚弱)
治法・治療原則
東洋医学的治療法と治療原則
固衝摂血(衝脈を固め血を摂取)、収渋止血(収渋させ出血を止める)、固精止帯(精を固め帯下を止める)、益気健脾(気を益し脾を健やかにする)
- 『方剤種別』については、複数の漢方方剤種別に属する方剤もあるが、当該方剤の薬理作用が最も顕著にあらわれる漢方方剤種別に基づき、単一の方剤種別に属させている。
- 『東洋医学的弁証』および『治法・治療原則』については、中医用語に精通していない一般の方を考慮し、あえて重複表現を一部用いている。
- 『適用疾患および対象症状』については、当該方剤が直接的に効力を示す疾患・症状に加え、間接的に効力を示す疾患・症状についても併記している。
- 『この方剤の持つ「薬理作用」』については、当該方剤の直接的な薬理作用に加え、間接的な薬理作用についても併記している。