漢方方剤

補陽還五湯

よみかた ほようかんごとう
方剤種別 理血剤 > 活血祛瘀剤
典拠出典 医林改錯

処方構成
この方剤を構成する生薬の組み合わせ

生薬名 原材料と加工法
生黄耆マメ科ゲンゲ属のキバナオウギおよびナイモウオウギなどの根
帰尾セリ科シシウド属のカラトウキまたはニホントウキの支根
赤芍ボタン科ボタン属のシャクヤク・ヤマシャクヤク・ベニバナヤマシャクヤクの根
地竜ツリミミズ科ツリミミズ属カッショクツリミミズ、あるいは内容物を除いたフトミミズ科フトミミズ属タイワンシュウヘンミミズ
川芎セリ科のマルバトウキ属キュウキュウおよびハマゼリ属センキュウの根茎
桃仁バラ科サクラ属のモモおよびノモモなどの成熟種子
紅花キク科ベニバナ属ベニバナの管状花

適応疾患 および 対象症状

半身不随、顔面神経麻痺、発語障害、よだれ、頻尿、舌苔が白い など

薬理作用

運動改善、発語改善、頻尿改善、筋力向上、舌苔改善 など

東洋医学的弁証
東洋医学の診断に基づく対象疾患・症状

気虚血滞(気不足で血液の流れが滞る)、正気虧虚(体の防衛機能が弱まり病気にかかりやすい)、口眼歪斜(口と目がゆがむ)、語言蹇渋(言語が不明瞭になる)、下肢痿廃(下肢の筋力低下と萎縮)、口角流涎(口角からよだれが出る)

治法・治療原則
東洋医学的治療法と治療原則

補気活血(気を補い血を活かす)、通絡行滞(絡を通じ滞りを巡らせる)、祛瘀通絡(瘀血を除去し経絡を通す)
  • 『方剤種別』については、複数の漢方方剤種別に属する方剤もあるが、当該方剤の薬理作用が最も顕著にあらわれる漢方方剤種別に基づき、単一の方剤種別に属させている。
  • 『東洋医学的弁証』および『治法・治療原則』については、中医用語に精通していない一般の方を考慮し、あえて重複表現を一部用いている。
  • 『適用疾患および対象症状』については、当該方剤が直接的に効力を示す疾患・症状に加え、間接的に効力を示す疾患・症状についても併記している。
  • 『この方剤の持つ「薬理作用」』については、当該方剤の直接的な薬理作用に加え、間接的な薬理作用についても併記している。