処方構成
この方剤を構成する生薬の組み合わせ
| 生薬名 |
原材料と加工法 |
| 熟地黄 | 乾燥させ酒で蒸したゴマノハグサ科アカヤジオウ属のジオウ・アカヤジオウ・カイケイジオウの塊根 |
| 山茱萸 | 成熟したミズキ科ミズキ属サンシュユの果肉 |
| 山薬 | 外皮を除いたヤマノイモ科ヤマノイモ属のナガイモおよびヤマノイモの担根体 |
| 沢瀉 | 周皮を除いたオモダカ科サジオモダカ属サジオモダカの塊茎 |
| 茯苓 | 外層を取り除いたサルノコシカケ科ウォルフィポリア属マツホドの菌核 |
| 牡丹皮 | ボタン科ボタン属ボタンの根皮 |
| 煉蜜 | 火を通したミツバチ科ミツバチ属のトウヨウミツバチおよびセイヨウミツバチなどが集めた花の蜜 |
適応疾患 および 対象症状
めまい、ふらつき、もの忘れ、難聴、耳鳴り、遺精、夢精、滑精、手足のほてり、むくみ、熱感、寝汗、不眠、ノドの乾燥、口渇、舌の痛み、足腰の脱力感、歯のぐらつき、頻尿、尿漏れ、尿量過多、排尿障害、皮膚のかゆみ、発育遅滞、疲れやすい、舌が紅い、舌苔が少ない、脈が早い など
薬理作用
目眩改善、聴力改善、強精強壮、痴呆改善、耳鳴改善、止汗作用、熱感改善、解熱作用、尿漏改善、浮腫改善、睡眠改善、咽乾改善、止渇作用、鎮痛作用、筋力向上、頻尿改善、尿量改善、利尿作用、止痒作用、疲労回復、舌色改善、舌苔改善、整脈作用 など
東洋医学的弁証
東洋医学の診断に基づく対象疾患・症状
腎陰不足（腎陰が不足する）、陰虚火旺（陰虚で火が旺ん）、眩暈耳鳴（眩暈と耳鳴り）、潮熱盗汗（潮熱と盗汗）、遺精淋瀝（夢精と精液のダラダラ漏れ）
治法・治療原則
東洋医学的治療法と治療原則
滋陰補腎（陰を滋養し腎を補う）、清熱瀉火（熱を清め火を瀉す）、固精縮尿（精を固め尿を縮める）
- 『方剤種別』については、複数の漢方方剤種別に属する方剤もあるが、当該方剤の薬理作用が最も顕著にあらわれる漢方方剤種別に基づき、単一の方剤種別に属させている。
- 『東洋医学的弁証』および『治法・治療原則』については、中医用語に精通していない一般の方を考慮し、あえて重複表現を一部用いている。
- 『適用疾患および対象症状』については、当該方剤が直接的に効力を示す疾患・症状に加え、間接的に効力を示す疾患・症状についても併記している。
- 『この方剤の持つ「薬理作用」』については、当該方剤の直接的な薬理作用に加え、間接的な薬理作用についても併記している。