漢方薬(方剤・生薬)

漢方方剤の分類のうち「安神剤」って、どんなもの?

精神安定や鎮静の作用をもつ方剤です

安神剤は、不眠・多夢・動悸・健忘・イライラ・煩躁・易怒・寝汗・焦燥など、心や身体に様々な症状を引き起こす精神不安定の状態を改善する方剤で「重鎮安神剤」「滋養安神剤」の二種に大別されます。

重鎮安神剤は、心肝の陽気の躁動によって起こる狂躁・煩躁・易怒・イライラ・動悸・不眠・驚きやすいなど、『実証』の精神不安定を治療する方剤で、代表的な方剤には「朱砂安神丸」「磁朱丸」「珍珠母丸」などがあります。

滋養安神剤は、心肝の血虚や七情内傷によって起こる不安・焦躁・不眠・浅眠・多夢・健忘・動悸・寝汗など、『虚証』の精神不安定を治療する方剤で、代表的な方剤には「桂枝甘草湯」「酸棗仁湯」「天王補心丹」などがあります。