解説
『テオフィリン』は、
呼吸器系の薬に用いられる医薬品成分です。
作用
環状リン酸ジエステルを分解するホスホジエステラーゼの働きを阻害する作用があり、それによって細胞外から細胞内へのカルシウムイオンの流入を抑制するとともに、セカンドメッセンジャー（細胞内情報伝達物質）であるサイクリックAMP（環状アデノシン一リン酸）やサイクリックGMP（環状グアノシン一リン酸）の分解が抑制されて増加し、ミオシンやアクチンを動かすミオシン軽鎖キナーゼをリン酸化するため、気管支筋などの平滑筋を弛緩・拡張させる効果があります。また、呼吸筋に直接作用して収縮力を高める他、気管支筋を収縮させる物質の働きを抑制する効果もあります。
使用上の注意
使用してはいけない場合
テオフィリン過敏症、キサンチン系薬過敏症
慎重に使用すべき場合
てんかん、甲状腺機能亢進症、急性腎炎、うっ血性心不全、肝機能障害、妊婦
副作用
腹痛、食欲不振、神経過敏、頻脈、腹部膨満感、下痢、胸焼け、吐き気、嘔吐、不眠、不安、興奮、頭痛、蛋白尿、めまい、手の震え、貧血、鼻出血、しびれ(口や舌)、むくみ、関節痛、倦怠感、赤芽球癆、潰瘍などによる消化管出血、けいれん、動悸、顔面のほてり
重大な副作用
意識障害、横紋筋融解症、肝機能障害、高血糖、昏睡、ショック、せん妄、吐血、頻呼吸、アナフィラキシーショック、急性脳症、過敏症状