医療用医薬品成分

トリクロホスナトリウム

解説

『トリクロホスナトリウム』は、不眠症の薬に用いられる医薬品成分です。

作用

体内に入るとホスホモノエステラーゼによってトリクロルエタノールに加水分解され、大脳皮質の機能を抑制するとともに上行性脳幹網様体賦活系を抑制して催眠・鎮静作用を現します。しかし、安全域が狭く依存性も強かったため用いられる機会は少なくなっています。

使用上の注意

使用してはいけない場合

トリクロホスナトリウム過敏症、抱水クロラール過敏症、急性間欠性ポルフィリン症

慎重に使用すべき場合

肝機能障害、腎機能障害、重度心疾患、不整脈、呼吸機能低下、衰弱状態、妊婦、小児

副作用

肝障害(黄疸など)、腎障害、血液障害、鼓腸、胃痛、運動失調、抑うつ、精神神経症状(ふらつき、手足のしびれ、けいれん、頭痛、頭重感、めまい、不安、興奮など)、消化器症状(食欲不振、口やのどの渇き、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、便秘など)、循環器症状(動悸、胸の圧迫感、血圧の低下など)、筋緊張低下症状(倦怠感、力が入らないなど)、横紋筋融解症、悪性症候群、意識障害、勃起障害、むくみ、夜尿、頻尿、呼吸抑制、けいれん

重大な副作用

依存性、禁断症状、無呼吸、過敏症状(発疹、発熱、かゆみなど)

本成分を用いた医薬品

[先発品]

トリクロリール