医療用医薬品成分

塩酸メマンチン

解説

『塩酸メマンチン』は、認知症の薬に用いられる医薬品成分です。

作用

NMDA受容体チャンネル(グルタミン酸受容体のサブタイプ)に拮抗的に働いて受容体内へのカルシウムイオンの流入を抑制する作用があるため、NMDA受容体チャネルの活性化によって生じる膜電位の依存性を阻害する効果を示します。そのためシナプス間隙のグルタミン酸濃度が持続的に上昇し、異常に発生していた電気シグナル(シナプティックノイズ)を抑え、ノイズによって隠れていた重要な記憶を思い出すことが可能となります。この成分は主にアルツハイマー型の認知症の治療薬と用いられていますが、病気を完治させる薬ではありません。

使用上の注意

使用してはいけない場合

塩酸メマンチン過敏症

慎重に使用すべき場合

てんかんの既往、痙攣性疾患の既往、腎機能障害、尿細管性アシドーシス、重度尿路感染症、重度肝機能障害

副作用

めまい、頭痛、肝機能障害、便秘、食欲不振、血圧上昇、血糖値上昇、転倒、浮腫、体重減少

重大な副作用

痙攣、失神、意識消失、攻撃性、妄想、幻覚、錯乱

本成分を用いた医薬品

[先発医薬品]

メマリー