医療用医薬品成分

塩酸バンコマイシン

解説

『塩酸バンコマイシン』は、感染症などの薬抗生物質に用いられる医薬品成分です。

作用

ペプチド系の抗生物質で、細菌の細胞壁合成を阻害して細菌を死滅させる作用があります。特にメチシリン系やセフェム系の抗生物質に対して広く抵抗性を持つメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に有効な抗生物質として知られており、クロストリジウム・ディフィシルの抗菌や骨髄移植時の消化管内殺菌などにも用いられていますが、内服ではほとんど吸収されないため一般的な感染症には用いません。

使用上の注意

使用してはいけない場合

塩酸バンコマイシンによるショック状態の既往

慎重に使用すべき場合

塩酸バンコマイシン過敏症、ペプチド系抗生物質過敏症、アミノグリコシド系抗生物質過敏症、難聴、腎機能障害、妊婦

副作用

下痢、吐き気、嘔吐、過敏症(発熱、発疹)、口内炎、舌炎

重大な副作用

間質性腎炎、偽膜性大腸炎、急性腎不全、血小板減少、紅皮症、再生不良性貧血、ショック、中毒性表皮壊死症、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、アナフィラキシー様症状

本成分を用いた医薬品

[ジェネリック医薬品]

バンコマイシン塩酸塩塩酸バンコマイシン

[先発医薬品]

塩酸バンコマイシン