医療用医薬品成分

サリドマイド

解説

『サリドマイド』は、がん・腫瘍の薬に用いられる医薬品成分です。

作用

がん細胞は拡散による栄養補給では壊死するため血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を放出して自らのもとへ脈管形成・血管新生して栄養や酸素を取り込みます。この成分は血管内皮細胞増殖因子(VEFG)の働きを選択的に阻害する作用があるため、脈管形成や血管新生が抑制され、がん細胞の増殖を抑える効果を示します。さらに詳しい作用機序は解っていないものの、がん細胞の殺傷に関与する免疫細胞であるキラー細胞の増殖や、がん細胞がガスパーゼの活性化によって細胞死へ誘導されることが確認されています。また、細胞の炎症を引き起こしたり細胞間の情報伝達を行うサイトカインの働きを阻害する作用も認められています。

使用上の注意

使用してはいけない場合

妊婦、サリドマイド過敏症

慎重に使用すべき場合

深部静脈血栓症、HIV感染症

副作用

傾眠、ねむけ、徐脈、起立性低血圧、手足のしびれ、灼熱感、便秘

重大な副作用

催奇形性、深部静脈血栓症、肺塞栓症、末梢神経障害、骨髄機能抑制、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、中毒性表皮壊死症、心不全、不整脈、脳梗塞、間質性肺疾患、けいれん、感染症

本成分を用いた医薬品

[先発品]

サレド