以前の未熟な発達段階へと戻ることを指す。精神分析では、防衛規制のひとつとみなされ治療場面で生じる感情転移も一種の退行であり、かつての対人関係の再現とされる。操作的な退行により、固着が存在する発達段階、あるいは心的外傷経験の時に戻り、葛藤やコンプレックスを解消させる治療的退行は、心理療法の技法として重要。また、フラストレーションに対する不適応的反応としても生じるものである(欲求不満退行仮説)。