甲状腺ホルモン-トリヨードサイロニン(T3・FT3)

doctor iat
検体
血清

甲状腺で産生されるヨードを主原料とするホルモン「トリヨードサイロニン(T3)」の値を測定する甲状腺機能の異常を調べる検査。
血液中を流れる多くのトリヨードサイロニン(T3)はタンパク質と結合しており、一部の遊離した「遊離トリヨードサイロニン(FT3)」が「タンパク質合成」「新陳代謝の維持・促進」などの役割を果たしている。

基準値

T3 76~177ng/dL
FT3 2.1~4.1pg/mL

異常値を示す疾患

FT3低値を示す疾患

T3高値

  • バセドウ病(Basedow 病)
  • プランマー病(Plummer 病)
  • TSH産生腫瘍
  • レフェトフ症候群(Refetoff 症候群)
  • 甲状腺機能亢進症
  • 亜急性甲状腺炎
  • 不妊症
  • など

FT3高値

  • TSH産生腫瘍
  • 亜急性甲状腺炎
  • 甲状腺機能亢進症
  • など

FT3高値を示す疾患

T3低値

  • 橋本病
  • 粘液水腫
  • ネフローゼ症候群
  • 甲状腺機能低下症
  • 肝硬変
  • 不妊症
  • など

FT3低値

  • 橋本病
  • 甲状腺機能低下症
  • など

基準値とは健常者の測定値を統計学的に処理した平均値であり、測定値は個人により差があるため「基準値=正常値」ということではありません。また基準値から外れた値は異常値と呼ばれますが、「異常値=罹患」を意味するものでもありません。ですから基準値を絶対視するのではなく、あくまでも検査の評価は医療機関の判断に委ねることが大切です。