妄想性障害診断検査

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検査対象
妄想性障害

自分には卓越した才能がある・恋人が浮気をしている・誰かに見張られている等々の思いや妄想、などといった症状や病態を示す精神疾患「妄想性障害」を診断するための検査。
本人の主観および家族など周囲の人々による客観的観察により得られる情報をもとに、DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)・ICD(国際疾病統計分類)等の基準に基づき医師が問診、診察を行い診断が下される。

診断基準 DSM-5 「妄想性障害(Delusional Disorder)」より

  • A.1つ(またはそれ以上)の妄想が1ヶ月間またはそれ以上存在する。
  • B.統合失調症の基準Aを満たしたことがない。
  • 注:幻覚はあったとしても優勢ではなく、妄想主題に関連していること(例:寄生虫妄想に基づく虫が寄生しているという感覚)
  • C.妄想またはそれから波及する影響を除けば、機能は著しく障害されておらず、行動は目立って奇異であったり奇妙ではない。
  • D.躁病エピソードもしくは抑うつエピソードが生じたとしても、それは妄想の持続期間に比べて短い。
  • E.その障害は、物質または他の医学的疾患の生理学的作用によるものではない。また、醜形恐怖症や強迫症など他の精神疾患ではうまく説明されない。
  • ▶ いずれかを特定せよ
  • 被愛型:この下位分類は、妄想の中心主題が、ある人物の自分に恋愛感情をもっているという場合に適用される。
  • 誇大型:この下位分類は、妄想の中心主題が、卓越した(しかし実際は認められない)才能または見識をもっているという確信、または重大な発見をしたという確信である場合に適用される。
  • 嫉妬型:この下位分類は、妄想の中心主題が、自分の配偶者や恋人が不貞を働いているというものである場合に適用される。
  • 被害型:この下位分類は、妄想の中心主題が、陰謀を企てられている、だまされている、見張られている、つけられている、毒や薬を盛られている、不当に中傷されている、嫌がらせを受けている、長期目標の遂行を邪魔されているといった確信である場合に適用される。
  • 身体型:この下位分類は、妄想の中心主題が、身体機能または感覚にかかわる場合に適用される。
  • 混合型:この下位分類は、複数の妄想の主題のうち、いずれも優勢でない場合に適用される。
  • 特定不能型:この下位分類は、支配的な妄想的確信がはっきりと決定できない場合やある特定の型にならない場合(例:際立った被害的もしくは誇大的な要素のない関係妄想)に適用される。
  • ▶ 該当すれば特定せよ
  • 奇異な内容を伴う:妄想の内容が明らかにありえないものである、理解不能で、通常の生活体験からかけ離れている場合(例:誰かが傷跡も残さず自分の体内の臓器を抜き取り、他人のものと入れ替えた、という確信)、その妄想は奇異と判断される。

基準値とは健常者の測定値を統計学的に処理した平均値であり、測定値は個人により差があるため「基準値=正常値」ということではありません。また基準値から外れた値は異常値と呼ばれますが、「異常値=罹患」を意味するものでもありません。ですから基準値を絶対視するのではなく、あくまでも検査の評価は医療機関の判断に委ねることが大切です。