エストリオール(E3)

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検体
血清

性腺ホルモンの一つである黄体ホルモンのうち、エストロン(E1)とエストラジオール(E2)が肝臓で代謝・合成される「エストリオール(E3)」の値を測定する検査。
エストリオールは、妊娠時には胎児の副腎や胎盤でも産生・合成され増加するため、胎児や胎盤の様子を知ることが可能となり「多胎妊娠」や「胞状奇胎」「子宮内胎児死亡」などの診断指標に用いられる。

基準値

妊婦 前期 20~100pg/mL
中期 100~10,000pg/mL
後期 10,000~40,000pg/mL
非妊婦 5pg/mL 以下
男性 5pg/mL 以下

異常値を示す疾患

高値を示す疾患

  • 巨大児妊娠
  • 多胎妊娠
  • 副腎皮質過形成
  • エストロジェン産生腫瘍
  • Rh型不適合妊娠
  • など

低値を示す疾患

  • 子宮内胎児死亡
  • 子宮内胎児発育不全
  • 無脳児妊娠
  • 胎盤サルファターゼ欠損症
  • 胎盤アロマターゼ欠損症
  • 胞状奇胎
  • 甲状腺機能亢進症
  • 妊娠中毒症
  • 子宮内胎児仮死
  • 先天性副腎発育不全症
  • 萎縮性膣炎
  • など

基準値とは健常者の測定値を統計学的に処理した平均値であり、測定値は個人により差があるため「基準値=正常値」ということではありません。また基準値から外れた値は異常値と呼ばれますが、「異常値=罹患」を意味するものでもありません。ですから基準値を絶対視するのではなく、あくまでも検査の評価は医療機関の判断に委ねることが大切です。