アルカリフォスファターゼアイソザイム(ALPアイソザイム)

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検体
血清

体内の組織に広く分布するリン酸エステルを無機リンとアルコールに分解する作用を持つ酵素群である6種類の「アルカリフォスファターゼアイソザイム」の割合を測定する検査。
アルカリホスファターゼ(ALP)は肝臓・小腸・骨・胎盤など、いろんな組織の細胞に存在し、細胞の障害により血液中に流出するが、臓器・組織特異性が低いため「アイソザイム」と呼ばれる分子構造が異なる酵素の比率を用いることにより障害部位を推定する。

基準値

ALP1 0~2%
ALP2 36~74%
ALP3 25~60%
ALP4 0%
ALP5 0~17%
ALP6 0%

異常値を示す疾患

0を示す疾患

ALP1出現

  • 閉塞性黄疸
  • 肝膿瘍
  • 転移性肝がん
  • 胆管がん
  • 総胆管結石
  • 肝内胆管結石
  • など

ALP2高値

  • 急性肝炎
  • 慢性肝炎
  • 総胆管結石
  • 肝内胆管結石
  • 胆管がん
  • 肝硬変
  • 脂肪肝
  • アルコール性肝炎
  • など

ALP3高値

  • 甲状腺機能亢進症
  • 副甲状腺機能亢進症
  • 糖尿病
  • 慢性腎不全
  • 骨粗鬆症
  • 悪性腫瘍の骨転移
  • 骨軟化症
  • 骨肉腫
  • など

ALP4出現

  • 肺がん
  • 卵巣がん
  • 妊娠後期
  • など

ALP5出現

  • 肝硬変
  • 慢性肝炎
  • 糖尿病
  • 慢性腎不全
  • など

基準値とは健常者の測定値を統計学的に処理した平均値であり、測定値は個人により差があるため「基準値=正常値」ということではありません。また基準値から外れた値は異常値と呼ばれますが、「異常値=罹患」を意味するものでもありません。ですから基準値を絶対視するのではなく、あくまでも検査の評価は医療機関の判断に委ねることが大切です。