乳酸脱水素酵素アイソザイム(LDHアイソザイム 、LDアイソザイム)

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検体
血清

体内の組織に広く分布するブドウ糖がエネルギーを生み出す際に作用する酵素群である5種類の「乳酸脱水素酵素アイソザイム」の割合を測定する検査。
乳酸脱水素酵素(LDH、LD)は、心臓・腎臓・肝臓・骨格筋など様々な組織の細胞に存在し、細胞の障害により血液中に流出するが、臓器・組織特異性が低いため分子構造が異なる酵素「アイソザイム」の比率を用いることにより障害部位の推定が可能になる。

基準値

LDH1 18~31%
LDH2 29~38%
LDH3 19~26%
LDH4 6~13%
LDH5 5~14%

異常値を示す疾患

LDH1高値かつLDH2高値
  • 心筋梗塞
  • 悪性貧血
  • 溶血性貧血
  • 腎梗塞
  • 急性腎不全
  • など
LDH2高値かつLDH3高値
  • 白血病
  • 筋ジストロフィー
  • 肺塞栓症
  • 胃がん
  • 悪性リンパ腫
  • など
LDH3高値かつLDH4高値かつLDH5高値
  • 悪性腫瘍
  • 大腸がん
  • 肺がん
  • 肺塞栓症
  • 多発性筋炎
  • 膵臓がん
  • など
LDH5高値
  • 急性肝炎
  • 慢性肝炎
  • 原発性肝がん
  • 劇症肝炎
  • 肝硬変
  • 脂肪肝
  • 卵巣がん
  • など
LDH1欠損
  • 先天性Hサブユニット欠損症
  • など
LDH5欠損
  • 先天性Mサブユニット欠損症
  • など

基準値とは健常者の測定値を統計学的に処理した平均値であり、測定値は個人により差があるため「基準値=正常値」ということではありません。また基準値から外れた値は異常値と呼ばれますが、「異常値=罹患」を意味するものでもありません。ですから基準値を絶対視するのではなく、あくまでも検査の評価は医療機関の判断に委ねることが大切です。