人体を強い磁場の中におき、胆汁や膵液の水分に含まれる弱い磁気を帯びる水素原子の原子核を共振させ、その振動により発せられる水素原子核からのMR信号を捉えてコンピューターで画像化する検査。
「MRCP(磁気共鳴胆管膵管撮影)」は、X線を用いないため被曝の心配が無く、また骨などが支障となることもないため腹部CTなどでは鮮明に映らない膵管や胆管の形態を観察することが可能で「膵臓がん」「総胆管がん」「総胆管結石」などの診断に用いられる。
概要 | 電磁波により、身体の骨のように硬い組織だけでなく筋肉・脂肪・線維組織・血管などの柔らかい組織までコンピュータで画像診断するMR(磁気共鳴映像法)を用い、胆嚢・胆管・膵管を撮影する検査です。この検査は水平の断層像だけでなく、矢状断や冠状断など多様な方向からの画像を映し出すことができます。 |
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メリット | 造影剤を用いずに多方向からの撮影ができ、炎症の急性期や術後でも撮影が可能です。また閉塞性病変でも、閉塞部の中枢側と末梢側の両方の画像情報を得ることができます。 |
デメリット | 腹水が溜まっている場合は不明瞭な画像となってしまいます。 |
注意事項 | ①検査3時間前から食事や水分摂取は控える ②金属類をすべて外す ③検査のために鉄分の入った水分を摂取するため、検査後1~2日は尿が真っ黒になります |
基準値とは健常者の測定値を統計学的に処理した平均値であり、測定値は個人により差があるため「基準値=正常値」ということではありません。また基準値から外れた値は異常値と呼ばれますが、「異常値=罹患」を意味するものでもありません。ですから基準値を絶対視するのではなく、あくまでも検査の評価は医療機関の判断に委ねることが大切です。